60代の父親が心筋梗塞で倒れた時の医療費明細とF Pの私がしたこと

 医療費が実際にどのくらいかかるのかって心配になりますよね。

 以前、私の父が心筋梗塞で倒れた時がありました。その時は、救急車が来る前に運がよく近くにいた人が心臓マッサージをしてくれて、一命をとりとめることができました。

 その時は、救急車に運ばれた翌日に緊急手術(6時間ほど)を受けて、17日間の入院の後、なんとか退院することができました。

 今では、元気になって仕事に復帰することができています。

 その時の医療費の明細です。

実際の金額

1医療費

診療分合計
4,119,800円

2医療費以外

食事療養費食事自己負担金特定室料金文書料その他
非課税28,160円20,240円
課税225,000円3,000円181円
自己負担額消費税調整額自費合計
1,235,940円22,818円1,178,340円250,999円
請求合計今回領収額領収額合計
328,839円328,839円328,839円

 医療費の内訳(手術費用等)など一部省略しているところはありますが、328,839円が実際の請求額になります

 明細だけだと、分かりずらいので説明していきます。

高額療養費制度

 医療費の内容を説明をする上で重要なのは、高額療養費の制度です。

 この制度により、医療費が高額になっても、一ヶ月あたりの自己負担の限度額が決まっています。

70歳未満の方の自己負担限度額の計算式

区分所得区分自己負担限度額
健保:標準報酬月額※1 83万円以上
国保:賦課基準額※2 901万円超
252,600円+(総医療費※3-842,000円)×1%
[多数回該当140,100円]
健保:標準報酬月額 53万~79万円
国保:賦課基準額 600万円~901万円超
167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
[多数回該当93,000円]
健保:標準報酬月額 28万~50万円
国保:賦課基準額 210万円~600万円
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
[多数回該当44,400円]
健保:標準報酬月額 26万円以下
国保:賦課基準額 210万円以下
57,600円
[多数回該当44,400円]
住民税の非課税者等35,400円
[多数回該当24,600円]
  • 1 標準報酬月額とは、会社員等における健康保険と厚生年金保険の保険料を計算するための区分のこと
      たとえば標準報酬月額50万円とは、月収48.5万円以上~51.5万円未満の範囲
  • 2 賦課基準額は、国民健康保険加入者の要件で、所得から住民税基礎控除額33万円を差し引いた金額
  • 3 総医療費とは、保険適用される診療費用の総額(10割)のこと
引用:価格.comより

 

 私の父親の限度額はエの57,600円に該当するので、一ヶ月あたりはそれ以上の医療費はかかりません。

 上記の明細にある、診療分合計が診療費用の総額になるので、その3割が自己負担額になります。

 4,119,800円×3割=1,235,940円(高額寮費適用前の自己負担額)

 そこから、一ヶ月あたりの自己負担の限度額を超える金額が調整されています。

 1,235,940円−57,600(自己負担限度額)=1,178.340円(調整額)

高額療養費の対象外
  • 入院時の食事代
  • 入院時の日用品などの雑費
  • 差額ベット代
  • 先進医療等の保険適用外の治療

 

 上記のものは、高額療養費の対象外になるので、全て自己負担になります。

 今回は、食事代と特定室料金(差額ベット代)が高額療養費の対象外になります。

 父親は、大部屋が嫌だったため個室を選びました。個室代が225,000円かかっているので、高額療養費の適用を受けた自己負担額である57,600円より、はるかに上回っています。

 もし、個室ではなく料金がかからない大部屋を選んでいた場合には、225,000円はかかってきません。

 ただ、心臓の手術を受けた後の父親は、かなりしんどそうだったので、贅沢をしているというよりは、必要経費だったと思っています。

入院時食事療養費、入院時生活療養費

入院中には医療費とは別に食事代や居住費が、以下の区分に合わせてかかってきます。

入院したとき

区分食事療養標準負担額(1食あたり)
一般所得者460円
低所得者Ⅱ(住民税非課税世帯)90日まで210円
91日以降160円
低所得者Ⅰ(住民税非課税かつ世帯の所得が一定基準以下)100円

※難病・小児慢性特定疾病患者は1食260円。

65歳以上で療養病床に入院したとき

区分生活療養標準負担額
食費(1食あたり)居住費(1日あたり)
一般所得者460円370円
低所得者Ⅱ(住民税非課税世帯)210円
低所得者Ⅰ(住民税非課税かつ世帯の所得が一定基準以下)130円

※食事の提供体制などにより、1食420円の負担となる医療機関もあります。

引用:大同特殊鋼健康保険組合サイトより

父親は一般の区分にあたるので、一食あたりが460円になります。

460円を超える金額は、健康保険組合が負担してくれます。

今回は、食事自己負担金として20,240円(44食分)がかかってきているので、積み重なると、意外と高くなってきます。

計算

 あらためて計算してみると、今回はまず医療費の自己負担額である57,600円に高額療養費対象外である個室代225,000円、食事自己負担金である20,240円、文書料3,000円、その他181円、消費税22,818円、これらの合計額である

 57,600円+225,000円+20,240円+3,000円+181円+22,818円=328,839円

 が請求額になっています。

 ちなみに高額療養費の自己負担額の限度額は、一ヶ月(1日〜末日)あたりになるので、入院期間が翌月にまたいでしまうと、自己負担の上限額も2倍になります。

 今回のケースだと、57,600円×2=115,200円が医療費の自己負担額の上限額になるので、あまりないと思いますが入院する日を選べる時であれば、月をまたがないように入院すると、医療費を抑えることもできます。

FPである私がしたこと

 今回は、医療費がかなりかかることが事前に予想できたので、限度額適用認定証を健康保険組合に申請しました。

 

限度額適用認定証

 高額療養費制度は、基本的には自己負担額を超えた金額が後から払い戻しされる制度になるが、限度額適用認定証を医療機関の窓口に提出することで、窓口の負担が、自己負担限度額までになります。

 

 もし、限度額適用認定証を申請してなければ、通常の健康保険適用の3割負担である1,235,940円を窓口で支払い、後日、申請(申請をしないでも還付してくれる健康保険組合もあります)することで高額療養費として、57,600円を超える1,178,340円の還付を受けることになります。

 ただ一時的にも100万超える金額を準備するのは大変ですので、限度額適用認定証は、準備していた方がいいでしょう。

医療保険

 父親は、医療保険に入っていたので、今回の入院、手術で約30万の保険金を受け取ることができています。

 ほぼプラス、マイナスがゼロになっているので、父親は喜んでしました。

 ただ、明細を見ていただくと、医療費の総額は高いですが、高額療養費制度により医療費の自己負担額はそれほど高くはありません。

 個室代がなければ、約10万円くらいに収まるので、貯金の範囲内でなんとかなる金額でもあります。

 今ままで支払ってきた保険料を考えると今回の保険金で、元が取れているわけでもありません。

 ただ父親に話を聞くと、医療保険に入っていたから、個室の選択をそこまで迷うなく選ぶことができたと言ってました。

まとめ

 今回は、実際の請求書に基づき、医療費のお話をさせていただきました。

 診療分合計をみると、日本の健康保険制度のありがたさを実感できます。

 請求書を見た時の個人的の感想は

  • 高額療養費の制度ってやっぱりすごいな
  • 差額ベット代はやっぱり高いな
  • 食事負担額が意外とかかるな

 の3点です。

 少しでも、参考になれば思います。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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