FP1級銀行員が実際に受けてみた人気資格の難易度ランキング

 

 

 金融機関に勤めていると、色々な資格の取得を求められます。それは業務上必要なものから、昇進のために必要なものまで様々。

 個人的には、スキルを高めるためにいろんな資格にチャレンジしてきました。その中で合格したものもあれば、不合格のものもあったのですが、どれも真面目に勉強した経験から、それぞれの難易度をランキングにしました。

 どれも独学で勉強しており、受験回数は一回のみで資格講座等は受けておりません。

 まずは、今までチャレンジした資格と保有資格がこちら

受けた資格
  • FP2級
  • FP1級
  • 宅建
  • 社会保険労務士
  • 簿記3級
  • 簿記2級
  • 税理士試験(相続税法)


 

保有資格
  • FP2級
  • FP1級
  • 宅建
  • 簿記3級
  • その他、銀行業務検定等

 

実際受けてみた難易度と勉強時間と実務との関係(難易度が優しい順)

簿記3級

 合格率・・・勉強時間(約150時間)

 回数合格率
164回(2023.06.11)34,0%
163回(2023.02.26)36,5%
162回(2022.11.20)30,2%

 FP2級を受けた後に、受験した資格。難易度はあまり高くないとは言われているが、今まで勉強した内容とは全く違うタイプのものだったので、想像より難易度は高く感じた。

 選択タイプの問題であれば、仕組みをそこまで理解していなくても、単語の意味や文章の流れから答えがわかるものもあるが、簿記の場合は仕組みをしっかり理解していないと、計算を間違えてしまうので、数字が苦手の人は、想像より難易度が高く感じるかもしれない。

 銀行に勤めていると、銀行業務検定というものを受けることになり、その中に法務3級や税務3級等があるが、それよりも難しく感じた。

 ただ、仕訳の作業等は、パズルをやっているような感覚だったので、銀行業務検定よりも勉強していて面白かった。

FP2級

 合格率(FP協会)・・・勉強時間(約200時間)

試験日学科実技
2023,0953.54%53.02%
2023,0548.82%58.61%
2023,0156.12%59.53%

 想像よりも簡単に感じた。受験する前は、FP2級の勉強をすれば、年金制度や相続、保険、資産運用などのだいたいのことは分かるようになると思っていたが、全くそうでない。

 複雑な年金制度もそこまで理解していなくても、ポイントさえ掴んでおけば合格できる。相続についても、基礎的なことしかやらないので、最終的な、相続税の計算ができるようにはならない。

 FP2級を取得したからといって、相談業務ができるようになるわけではないので別途、勉強は必ず必要。

 特に、保険や資産運用は、自分で運用してみたり、他の商品と比較しないと全くイメージも湧かないので、FP2級で保険や資産運用の勉強をするよりは、実際に自分で保険の商品を比較したり、運用してみたりする方が遥かに勉強になる。

簿記2級

合格率・・・勉強時間(約200時間)

回数合格率
164回(2023,06,11)21.1%
163回(2023,02,26)24.8%
162回(2022,11,20)20.9%

 FP2級よりも難しい。私はいつも電車で勉強するのですが、FPであれば選択式の問題は電車の中で勉強できるが、簿記は計算問題になるので、電車の中で勉強するのが難しい。

 この時は、完全に勉強不足で不合格になってしまった。

 経理の仕事や法人担当だと、簿記の知識は役に立つが、リテールの営業の仕事をしていると、直接役に立つ機会があまりないので、資格の勉強後は、勉強してきた内容をほとんど忘れてしまった。 

宅建

合格率・・・勉強時間(約200時間)

試験日合格率
令和4年10月17.0%
令和3年12月15.6%
令和3年10月17.9%

 簿記2級と宅建は個人的には、同程度の難易度。宅建の試験科目には、民法の範囲が多く含まれいるが、私は学生時代、法学部で民法の勉強をしていたので、宅建の試験勉強の時には有利に働いた。

 宅建の勉強は、不動産の知識をつけたいと思って勉強したが、実際の不動産の知識がつくわけではなかった。イメージ的には契約行為に対する資格になるので、法律を覚えていくイメージ。

 10年くらい前に取得した資格でほとんどのことは忘れてしまったが、今でも覚えているのは、駅からの所要時間を広告に掲載する場合には、80 mを1分として計算しなければならないというルールがあることだけは、勉強していて唯一面白かった知識なので覚えている。

FP1級

合格率・・・勉強時間(約500時間)

試験日学科実技
2023年9月13.00%80.10%
2023年6月 3.51%84.80%
2023年2月10.38%86.07%

 今まで受けた資格とは、ランクが一つ上がる感じ。内容自体がかなり難しくなるのと、範囲も広い。ただ年金の仕組みや、税金、相続など、一通りの仕組みは、かなり分かるようになるので、勉強していて面白い。

 金融や不動産の仕事をしている人であれば、勉強している知識がそのまま仕事に役に立つこともあるので、勉強のやりがいを感じられる。

社会保険労務士

 合格率・・・勉強時間(約600時間)

試験日合格率
令和5年度6.4%
令和4年度5.3%
令和3年度7.9%

 FP1級と同様に、勉強している内容がそのまま役に立つ。社労士資格を勉強することで、日本の社会保険制度の凄さを、知ることができるので、勉強するだけでもおすすめ。

 個人的に感じた難易度は、勉強の内容自体は、FP1級の方が難しく感じたが、合格するのが、社労士の方が難しい。

 FP1級は1年に3回試験があるのと、試験の内容によっては、10%以上の合格率になるが、社労士試験は、合格率が常に低く、合格するためにはそれぞれの分野から最低何点取らなければならないという条件もあるため、合格することが難しい。

 また、FP1級は基礎編と応用編に分かれていて、応用編の方が対策が立てやすく、点数を稼げるようになっているが、社労士の場合は、そういった形式にはなっていない。

税理士試験(相続税法)

 合格率・・・勉強時間(約800時間)

試験日合格率
令和4年度14.2%
令和3年度12.8%
令和2年度10.6%

 ランクが二つくらい上がる感じ。内容自体を理解することも難しいが、理論問題は法律を丸暗記をしなければならないので、とにかくしんどい。試験形式は選択式の問題はなく、計算問題は全て計算しなければならないし、理論問題は、暗記した内容を記入しなければならない。

 運よく受かるということはないので相当な覚悟を持って勉強しないとまず受からない。

 試験内容でとにかくややこしいのが不動産評価と非上場株式の評価の問題になるが、完全に専門職の分野になるので、一般のお客さんに対して話をする機会は少ない。

 社労士の勉強やFP1級のように日常生活やリテールの仕事で役に立つとは言い難いが、非上場株式の評価や不動産評価の具体的な計算等、専門分野の内容に少し触れられたことは、面白かった。

 また税理士試験は、最終的に5科目に合格しなければならないので、それを考えると税理士試験は、他の試験とはレベルがかなり異なってくる。

各試験の距離感

 簿記3級→FP2級→簿記2級・宅建→→→FP1級→社会保険労務士→→→→→→→→→→税理士試験(5科目合格)

まとめ

 今回は完全に主観でランキングを作ってみました。ただ、人によって得意不得意があると思うので、勉強時間や難易度は異なってくるはずです。

 また合格率だけで見ると社会保険労務士が一番難しいように思えますが、FP1級は基本的にはFP2級に合格している人が受験しているということ、税理士試験は他の科目合格者が受験しているということを考えると、分母にあたる受験生のレベルが高くなるので、一概に合格率だけで難易度の比較ができません。

 今度の資格受験の際の参考になれば幸いです。

 最後までお読みいただきましてありがとうございました

 

 

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